ジョーダン・ハービンジャー・ショーで元統一教会のスティーブン・ハッサン(Steven Hassan)との対談がありました。
スティーブンは著書「カルトのマインド・コントロールから守る(Combating Cult Mind Control)」ではカルトが使用するテクニックや、対抗策を書いています。初版から30年たった改訂版ではソーシャルメディアの役割や脳科学による説明なども加筆されています。
Combating Cult Mind Control: The #1 Best-selling Guide to Protection, Rescue, and Recovery from Destructive Cults
ISBN-10: 0967068827
ISBN-13: 978-0967068824
30年前の版は和訳されています。邦題は「マインド・コントロールの恐怖」です。
⇒マインド・コントロールの恐怖
カルトとは
スティーブンはカルトにもいろいろあるとしています。倫理的で健康的なものから、破壊的なものまで。
前者はスポーツチームのファンなどで、イラつくことはあっても害はないです。後者は人権を阻害したり、精神的に封じ込まれたりします。
破壊的なカルトは4つの特徴があります。
- 行動コントロール(Behavior control)
- 自由を奪ったり。忠誠を強制したり。睡眠を削られたり。単調なことをする「テスト」を何時間も繰り返したり。
- 情報コントロール(Information control)
- 外部の情報を遮断したり、ネガティブな発言を制限したり。勧誘する時に嘘をついたり。
- 思考コントロール(Thought control)
- 論理的に考えるのをやめてカルトの一員として考えるように教育されたり。言葉にカルト内でしか通用しない意味を持たせて、現実世界と切り離されたり。教典を信じさせ、「理解」させようとしない。
- 感情コントロール(Emotion control)
- カルトの外に対する恐怖症を埋め込んだり。
スティーブンは頭文字をとって「BITE」モデルと呼んでいました。
カルトに勧誘されたら
カルトに勧誘するのは身内など、近しい人の場合が多いのでつい気が緩んでしまいます。そのため、ズルズルと引き込まれるのです。
スティーブンは時間やお金を約束する前にネットなどで調査しておいた方がいいと言いました。
もっと知りたいから、と質問をする。
- 誰が創立したのか?
- その人の背景は?資格は?犯罪歴は?
- 入会すると何が起きるのか?
- 退会すると何が起きるのか?
- 退会した人と話したことはあるか?
- 好きなところは?
- 嫌いなところは?(無ければ赤信号)
- 入会する前にどんな調査をした?
身内がカルトに入ったら
身内がカルトに入ってしまったら、抜けられるように助けたいです。しかし、カルト側もそれを防ぐ手段を刷り込んでいるので、一筋縄ではいかないです。
してはいけないことは、その人やカルトを非難したりすることです。洗脳されている場合、すぐにシャットアウトして聞かなくなります。
そうではなく、興味を持っているという立場から、そのカルトについて質問をするといいです。
また、似たようなカルトについて話すのも有効です。共通点がたくさんあると、現実に引き戻しやすくなります。
絶対にしてはいけないのが、取り戻すために自らカルトに入ることです。
「自分は仕組みが分かっているから大丈夫」と思っていても破壊的なカルトの洗脳に打ち勝つのは難しいのです。
まとめ
カルトとは関わり合いたくないですが、いざという時のために防衛策はたくさん知っておきたいですね。