ジョーダン・ハービンジャー・ショーで行動デザイナーのニール・イヤール(Nir Eyal)との対談がありました。
ニールは最新本「気が散れない(Indistractable)」では世の中の気が散るものから自分を守る方法を書いています。まったく気が散らないようになるのではなく、なるべく気が散らないように努力をするのです。
Indistractable: How to Control Your Attention and Choose Your Life
ISBN-10: 194883653X
ISBN-13: 978-1948836531
なぜ気が散るのか
ニールは人間の行動のすべては苦痛を回避するために起きていると言いました。そのため、時間管理とは苦痛管理である、と。
気が散るのも、何らかの苦痛から逃げるためにしていること。
内的または外的なきっかけがあるか、計画に問題がある時に起きる。
原因を理解できれば、対応することもできる。
子供の集中力
よくテクノロジーが最近の子供の集中力を無くさせている、と悪者扱いをしています。ニールはこの二元的な考えが一番危ないと言いました。新しい技術は良い影響もあれば、悪い影響もある。それを理解したうえで使いこなすのが大事。
ニールは子供が5歳の時に「タブレットを見ている間はパパやママや友達を遊べないよ」と機会コストを説明して、子供にどれくらい見たいか決めさせたそうです。そして、タイマーをセットして自分でやめるようになったらしい。
スマホとかにハマっている子供をすべて「スマホ依存症だ」とみんなが言っていると、親はそれが本当だと思ってしまい、学習性無力感(Learned helplessness)に陥ってしまう。年齢に合ったコンテンツを毎日2時間以下観るのは悪影響だという研究結果は無いそうで。ただし、実際にテクノロジー依存症になる人は数%いる。
根本的な原因は「心の3大栄養素」が足りていないため。
- 有能性(Competency)
「自分はできる」と実感できなければ、ゲームなど達成感を感じられるものに逃げていく。学校のテストなどで、上位にいない子は絶えず「自分はできない」とすりこまれてしまう。 - 自律性(Autonomy)
常にこうしろを言われ続け、自分の行動に制限をかけられると、反抗的になる。子供は大人の10倍のルールが課せられ、囚人の倍らしい。 - 関係性(Relatedness)
子供同士で遊ぶ時間がどんどん減っている。
外は安心できないと家の中に閉じ込められたり、塾などで忙しすぎたり。そうすると、社会的な関りを持つためにSNSへ流れていく。
気が散らない方法
ニールは気が散らないための方法を4ステップで説明しました。
- 内的なきっかけを知る
気が散るのは何らかの苦痛を避けるため。それが何かを突き止めます。
例えば仕事のストレスから、常にメールチェックをしているかもしれません。 - 対処する時間を設ける
自分にとって何が大事かを明確にして、そのための行動をスケジュールに組み込むのです。
例えば睡眠をとることが大事だから、カレンダーアプリに「シャワーを浴びる」など、寝るための準備を入れます。 - 外的なきっかけに対抗する
テクノロジーは利用者をドツボにはめ込むことによって稼いでいる。それを防がないといけない。
例えば、スマホやタブレット、テレビも寝室には置かない、など。 - 気が散らないような仕組みを作る
衝動的な行動をとらないように予防処置をするのです。自分と望ましくない行動の間にちょっとでも抵抗や面倒くささを入れると制限することができる。
例えば、時間帯によって切ることができるルーターを使って夜は接続できないようにしたり。
eero Home WiFi System
まとめ
どうしても面倒なことは後回しにしてしまう。だから喜んで気が散っちゃうのですね。
やらないといけないことは時間を取ってやれるようになりたい!!