ジョーダン・ハービンジャー・ショーで「ラディカル・キャンダー」のキム・スコット(Kim Scott)との対談がありました。
キムはグーグルやアップルでリーダーを務めた経験から著書「ラディカル・キャンダー(Radical Candor)」を書きました。親身になって忌憚のない意見を使える感じです。
Radical Candor: Be a Kick-Ass Boss Without Losing Your Humanity
ISBN-10: 1250103509
ISBN-13: 978-1250103505
ラディカル・キャンダー
キムは「親身になる(Care personally)」と「忌憚のない意見を言う(Challenge directly)」の二つの軸を使って、行動を4つに分けました。
これは人によって固定されているのではなく、コンパス(方位磁石)のように、今はどこを向いているかを指しているだけです。
- 徹底的なホンネ(Radical Candor)
- 直訳すると「極端な正直さ」。
親身になっているし、忌憚のない意見を言っている。
ここを目指したいわけです。 - イヤミな攻撃(Obnoxious Aggression)
- 直訳すると「不愉快な攻撃」。
親身にならずに、忌憚のない意見を言っている。
直すべき点が分かるという意味では役立っているけれど、精神的にはまいります。 - 過剰な配慮(Ruinous Empathy)
- 直訳すると「破滅的な共感」。
親身になっているけれど、相手の気持ちを心配するあまり言うべきことを言わない。
甘やかしているだけで、成長のチャンスを与えていない。一番不幸を招くかも。 - 摩擦の回避(Manipulative Insincerity)
- 直訳すると「操作的な不誠実」。
親身になっていないし、問題点も指摘しない。
事なかれ主義。相手のことよりも、行動することによって自分がどう思われるかの方が心配。
和訳本はこちらです。
⇒GREAT BOSS(グレートボス) シリコンバレー式ずけずけ言う力
デキるチームの構成
キムはまた、「仕事がデキる」と「成長志向」の二つの軸でもメンバーの「状態」を分けました。
仕事がデキない人(Falling Star)に関しては触れませんでしたが、成長志向な人をスーパースター(Super Star)、安定志向な人をロックスター(Rock Star)と呼んでいました。
2種類とも良いチームには必要で、それぞれ求めているものが違う。
上に引っ張ってくれるのがスーパースター。押さえつけないで新しいチャレンジを与えたりするのがおすすめ。
今の仕事は完ぺきにこなすが、急激な変化はしたくないのがロックスター。家族など、仕事以外のものが重要かもしれない。無理に昇格させようとせずに、知識などを評価したりするのがおすすめ。
どのチームも安定と成長のバランスを考えてそれぞれメンバーに入れたい。
正直な意見を得る方法
部下に「何か不満とかある?」と聞いても大抵、正直には言えません。
キムは意見を引き出すために、4つのステップを挙げました。
- 質問をちゃんと考える。自分から来ていること、相手が答えたくなるようにすること。
- 心地よくないことを受け入れる。相手も心地よくないし、引き出すためにさらに強く押さないといけないかもしれない。
- 意見を引きだしたら、反応つもりで聞くのではなく、理解するつもりで聞く。反論したりしない。
- 正直さを褒賞する。意見に同意する場合は簡単、実行して感謝すればいい。
意見と同意しない場合、同意できる何%かの部分を探してちゃんと聞いていると示す。
そして残りについては「考えてみる」と言ったりして後で同意できない理由を落ち着いて、論理的に話す。
まとめ
相手の気持ちが傷つくと思ってちゃんと意見できない場合は、言わなかった方が後でもっと傷つくと考えるとよい。
例えば、歯に何かがはさまっているのが見えていたり、チャックが開いていたりしたら、早めに言ってほしいでしょう(笑)。