パシフィックシンフォニーの夜コンサート『宇宙の旅(A Space Odyssey)』に行ってきました!!
宇宙の旅
アポロ11の月面着陸、50周年記念コンサートという位置づけです。ニール・アームストロング(Neil Armstrong)が人類で初めて月を歩いたのは1969年7月20日、アポロ11のミッションでした。
その前の年にSF映画『2001年宇宙の旅』が上映され、「ツァラトゥストラはかく語りき(Also Sprach Zarathustra)」がSF界で最も有名なクラシック音楽になります。
To the New World 新世界へ
コンサートを明けたのはマイケル・ドロティー(Michael Daugherty)の委嘱世界初演作「To the New World(新世界へ)」。
マイケルは知る限り最も背が高いクラシック作曲者です。昔、作曲をしていなければバスケの選手になっていただろう、と言っていました!!
マイケルはアポロ11に関する作品ということで、ニール・アームストロングについて調べました。実はアームストロングは音楽といろんな関係があって、次の3つを作品に取り入れました。
- ユーフォニウム(Euphonium)を吹いていた。
- ドヴォルジャークの「新世界より」が好きで、月にカセットテープを持って行った。
- テルミンが好きだった。
テルミンは出てきませんが、かわりにソプラノを起用しました。
作品は3楽章からなり、出発から帰還までを表現しています。
第1楽章「Moonrise」では、これから月へ向かう宇宙飛行士たちの不安などをソプラノで表現しました。曲が始まる前にJFKのスピーチの映像とロケットのカウントダウンが流れました。
第2楽章「One Small Step」では、月に降りて踊ったり楽しんでいる様子を表現しています。アームストロングの有名な「One small step for man, one giant leap for mankind.」が流れた後、ソプラノが繰り返します。
第3楽章「Splashdown」では、大気圏を通って、時速4万キロで降りてくる様子を表現しています。アポロ11にちなんで11/8という拍で速いテンポなので指揮も演奏も難しそう。
マイケルはパシフィックシンフォニーとは縁が深く、何回も作品を委嘱されています。
⇒これです、パシフィックシンフォニーの演奏モーツアルト ピアノ協奏曲第23番
前半はモーツアルトのピアノ協奏曲第23番で締められました。ピアニストはフィンランド人のユホ・ポホヨネン(Juho Pohjonen)。
ここで気分をちょっと落ち着かせます。
Also Sprach Zarathustra ツァラトゥストラはかく語りき
「ツァラトゥストラはかく語りき」はリヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss)の交響詩で、映画の冒頭2分に使われた曲です。ツァラトゥストラは哲学者ニーチェの本で、その中から8節取り出して作曲されました。
冒頭2分は映画「2001年宇宙の旅」の冒頭で使われたので有名です。ギリシャ神話のゼウスの額からアテネが生まれているところらしいですが、黒いモノリスの周りを猿が飛び回っているイメージしかありません(笑)。
この後まだ30分近くありますが、ラジオとかで流れることはあまりありません。曲の途中で冒頭のテーマが何回か出てきます。冒頭のC(ド)とB(シ)のバージョンが出てきますが、Cが宇宙で、Bが人間ということらしいです。最終的にはCに落ち着きます。
まとめ
いろいろと勉強になるコンサートだった。ツァラトゥストラの冒頭2分以外を聞いたのは初めてでした!!