パシフィックシンフォニーのマチネコンサートに行ってきました!!
ニコライ・リムスキー=コルサコフ(Nikolai Rimsky-Korsakov)のシェヘラザード(Scheherazade)です。
音楽監督・指揮者のカール(Carl St. Clair)が演奏の前に曲の解説をしてくれました。
でもまず最初に、「みんなフットボールは嫌いなのか?」と笑いを取りました。スーパーボウルと同じ日だったのです。さらに「部分的なスコアだけを教える、『7点』だ」と。
千夜一夜物語のあらすじ
「シェヘラザード」とは千夜一夜物語(One Thousand and One Nights)に出てくる主人公の女性の名前です。英語ではよく「The Arabian Nights(アラビアンナイト)」とされていますが、同じ話です。
アラブのシャリアール王(Sultan Shakhriar)が女性にだまされたことがあって、女性に対する復讐で毎日新しい女性と結婚して、翌朝に処刑していました。シェヘラザードはこの習慣をやめさせようと、嫁に名乗り出ました。寝る前に物語を話してあげるのですが、わざと結末は翌日のために取っておきます。王は終わりが気になって殺すのを一日送ることにします。これを1001夜続けたところで、王はシェヘラザードを殺すのをあきらめてずっと一緒に暮らすことにします。
めでたし、めでたし。
この千一の物語はアラブのいろんな時代から集められたものです。曲の1楽章に出てくるシンドバッドのお話のほか、ディズニーのアラジンの元になったお話しや、アリババと40人の盗賊の話が含まれています。
バレエや吹奏楽、ピアノにも編曲されていたり、多様に広がっています。ガンダムやモンストにも「シェヘラザード」が出てくるそうですが、同じ人かどうかは知りません(笑)。
曲の解説
日曜日のマチネコンサートの良いところは、指揮者カールの解説が入ることです。各楽章からフレーズを少しずつ演奏してもらいながら教えてくれます。これでもっと曲を楽しめます!!
まずは主人公の二人。曲は王のテーマから始まります。いかにも悪者っぽい音楽で、重くゆっくりと動きます。性格も不安定なところや、最後の一言をくりかえすのも悪者っぽいです。シェヘラザードはそのあと、コンサートマスターのバイオリンが奏でます。ハープも少し手伝い、優しい感じが伝わります。
第1楽章は「海とシンドバッドの船(The Sea and Sindbad’s Ship)」。
抑揚のついた3連符で海の波を表しています。
第2楽章は「カランダール王子の物語(The Tale of Prince Kalandar)」。
よく覚えていないけれど、オリエンタルな感じでした(笑)。
第3楽章は「若い王子と王女(The Young Prince and the Princess)」。
二人の愛を表すロマンティックな音楽です。途中で、打楽器とブラスが入ってトルコ風な音楽でふたりの遊び心も聞けます。
第4楽章は「バグダッドの祭り。海。船は青銅の騎士のある岩で難破。(The Festival at Bagdad; The Sea; The Ship Goes to Pieces on a Rock)」。
「早く続きを聞きたい」と焦る王。あしらいながら進めるシェヘラザード。第1楽章の船も戻ってきて荒れます。最後はメンデルソンの「真夏の夜の夢」みたいな進行で、王の心がシェヘラザードに落ちていくのがわかります。
(「真夏の夜の夢」は僕が感じたことで、カールが言っていたわけではないです。)
アマゾンで曲を視聴できます!!
↓
R.コルサコフ:シェエラザード
まとめ
リムスキー=コルサコフは「熊蜂の飛行」ではじめて名前を聞きました。実は音楽で物語る天才だったのですね。